Works導入事例

競争力の高い事業コンセプトを共創。採用市場に革新をもたらす次なる一手
キャリン株式会社
代表取締役 片岡卓也様

キャリン株式会社 様

業種

IT・インターネット

  • 事業内容

    システム開発支援・インターネット企画・開発

  • 設立

    2017年7月

  • 従業員数

    10人

 2022年よりZhieniusとの業務提携開始 2024年11月にZhieniusと共にジョイントベンチャーを設立 タレントプール採用サービス「CaLin(キャリン)」をWebのSaaS型で提供する、キャリン株式会社(以下、キャリン)。「採用を点から線に変える」をコンセプトに掲げる「CaLin」は2017年にローンチされて以降、一期一会ではなく応募後まで求職者と企業がつながり続ける仕組みを提供しています。

 Zhieniusとの協業が開始したのは2022年。組織人事採用領域において実績と経験を有するZhieniusは、「CaLin」の歴史とパーパスに深く共感。当初は販売パートナーとしての伴走から始まったものの、組織人事・採用領域における専門的知見を活かしたアライアンスにより、プロジェクトは「CaLin」事業の新たな展開につながりました。2024年11月には、2社で開発した新たなリニューアルコンセプトをもとに、「CaLin」のさらなる事業推進を目指すジョイントベンチャーを設立。キャリンの代表取締役 片岡さんに、Zhieniusとの歩みを聞きました。

  • ・自社が運営する既存の採用サービスの市場啓蒙と営業活動を共にする販売パートナーを探していた

  • ・企業と求職者の体験を高める機能やアイデアの発案により、サービス品質が向上

    ・Zhieniusが有する組織人事採用領域の経験と知見により、オペレーションフローが強化

    ・双方の強みを活かした分担体制を実現。Zhieniusが販売とカスタマーサービスを担当することで、キャリンの企画・開発への注力が可能に

    ・目指すビジョンの合致により競争力の高い事業コンセプトが誕生し、2社の提携によりジョイントベンチャーを設立

なぜZhieniusが事業発展のパートナーとなったのか

まず、CaLin立ち上げの経緯からお聞かせください。

片岡様:

私はもともと、前職でマーケティングや人材採用の責任者を担っていました。採用活動においては、惜しくも不採用となった人はその後のつながりも途絶えてしまい、採用母集団を形成してはリセットする繰り返しとなってしまうのが一般的です。人材採用に関わる中で、掛け捨ての予算で顕在層を集めるだけの採用活動に疑問を持つようになっていったんです。

採用活動自体を資産にする取り組みができないかと模索する中で、タレントプールという概念を知りました。マーケティングにおいて見込み客という概念があるように、採用においてもナーチャリングを通じて候補者との長期的な関係性を築くシステムを構築できるはずだと考え、CaLinを開発し、サービスとして立ち上げました。

CaLinの事業を推進する中で、どのような課題があったのでしょうか。

片岡様:

CaLinを立ち上げた2017年当時は、タレントプールの概念の認知度が今よりもあまり高くなかったため、啓蒙と営業を並行して行う必要がありました。タレントプールの概念をお伝えすると、ほどんどの方が共感を示す一方で、実際には組織としてのKGIがあるため、短期的な数値達成が求められていました。タレントプールは中長期的な概念であるために、担当者への営業だけではなく、経営層へも働きかける啓蒙活動が欠かせなかったんです。

しかし、キャリンはエンジニアだけで構成された組織です。そのため、CaLinのビジョンを理解し、タレントプールの概念の啓蒙活動と営業販売、カスタマーサービスのオペレーションを担うパートナーを探していました。

Zhieniusとの取り組みはどのように始まっていったのでしょうか。

片岡様:

当初は販売パートナーとしての参画だったものの、定例の会議体を設ける提案をしてくれたんです。販売パートナーでそこまで踏み込んでくれる企業は他に存在しませんでした。営業活動のみならず中長期目線で事業に向き合ってくれたことで、次第に深い協業の関係性が構築されていきました。

Zhieniusとは、どのような分担で協業を行っているのですか?

片岡様:

Zhieniusはユーザー目線と市場目線を持った新規機能の提案、キャリンは技術力を活かした機能開発を中心に、共同で事業変革に取り組んでいきました。

実はCaLinを立ち上げた当初から、「ゆくゆくは、企画や市場開拓から共に汗を流して取り組めるパートナーと出会いたい」という考えを持っていました。キャリンと同じビジョンを持ち、ユーザー視点と市場視点の両方を持ち合わせた、カスタマーサービスにも強いパートナーであれば、顧客にとってもよい体験が提供できるだろうと考えていたんです。結果として、Zhieniusはまさにそのイメージにぴったりと合う信頼できるパートナーとなりました。

営業パートナーや組織人事・採用領域のコンサルティングを担う会社は他にも存在するかと思います。片岡さんから見て、Zhieniusの強みは何だと思いますか?

片岡様:

短期的な利益だけではなく、事業の長期的成功を共に考えてくれるところです。販売パートナーとして参画が開始した毎週の定例会議では、当初は進捗報告や次の課題などの話題が中心でしたが、次第に顧客からの要望をもとにしたプロダクトの改善案などを話し合う時間が増えていきました。Zhieniusは取引における関係性を越えて、事業に2、3歩入り込む提案をしてくれます。組織人事採用領域に豊富な実績と経験を持つことも、心強いポイントでした。

Zhieniusと共創した新コンセプト “好意度の指標化”がもたらす革新

多くの時間を共にする中で、次第にZhieniusとの協業関係も深まっていったんですね。Zhienius参画後、どのような成果がありましたか?

片岡様:

Zhieniusが有する組織人事・採用領域の知見のもと、CaLinについて競争力と市場影響力の高い変革が行えたと感じています。Zhieniusがユーザー視点・市場視点での気づきやアイデアを物怖じせず伝えてくれることが、事業発展の推進力になっていきました。

具体的には、Zhieniusの発案により、CaLinに採用コンテンツの掲載・解析機能が追加となりました。採用活動を行う企業にとって、ブランディングは重要です。採用候補者側が企業を適切に選ぶためにも、企業から透明性のある情報を発信する必要があります。企業のらしさや魅力を適切に届け、採用候補者のアクションを数値化するという仕組みで、構築したタレントプールにデータドリブンなマーケティングを行うことが可能になりました。

企業や採用候補者の反応はいかがでしょうか。

片岡様:

Zhienius参画後、サービスの機能は増え、ユーザー数もアクセスも増加しています。企業と採用候補者の体験も向上しており、顧客からの声も以前と比較して評価が高まってきたことを感じます。機能のみならず、デザインや体験までアップデートされたことで、サービスとして洗練されてきました。

加えて、採用活動において新たな指標となる「プレファレンススコア」もZhieniusと共に策定中です。「プレファレンスリクルーティング」という、事業の新たな核となるコンセプトも誕生しました。

「プレファレンスリクルーティング」とは、どのようなものでしょうか?

片岡様:

候補者が企業に対して抱く“好感度”を指標化することで、採用活動における双方のコミュニケーションを最適化する仕組みです。採用市場における近年の傾向として、一企業に対するエントリー数は減少傾向にあり、接点を持った候補者を将来的な採用にも結びつけていく必要性が高まっています。生まれた接点を一度限りにせず、適切なタイミングで適切な候補者にアプローチするためには、データ・ドリブンな分析が欠かせません。その分析にあたり、候補者が企業へ抱く好意を算出するアルゴリズムが「プレファレンススコア」です。

プレファレンスリクルーティングによって、採用活動はどう変わっていくのでしょうか。

片岡様:

採用候補者側のコンテンツ閲覧などの行動履歴から自社への好意度を分析し、プレファレンススコアを算出することで、「企業への好意が高く、アプローチが推奨される候補者」を採用担当者に伝えることが可能になります。

候補者にとっては、関心度が高く、さらには好意を抱いている企業からのアプローチが届くようになるため、求職活動の体験が向上します。企業の採用活動としても、自社に合う人材にソートをかけた効率的なアプローチが可能になります。これにより、従来のような企業から候補者への一方的なアプローチだけでなく、双方向型のなめらかなコミュニケーションが実現します。

今後のCaLinは、好意度を軸とした候補者と企業の良好な関係性構築を叶えるとともに、採用市場におけるタレントプール構築の新たな価値提供を目指していきます。

正解のない事業開発において、Zhieniusは「忍耐力」をもって成長に貢献する心強いパートナー

キャリンとZhienius社の関係性についてもお聞かせください。キャリンにとって、Zhieniusはどのような存在ですか?

片岡様:

Zhieniusの存在を一言で表すなら、「いいやつ」でしょうか。Zhieniusは、顧客事業の中長期な成長を見据えて、その過程でいかにバリューを発揮していくか、というスコープで向き合ってくれます。パートナーシップの関係性にはさまざまな形がありますが、肩を組み共に汗を流してくれるパートナーはそう多くありません。

新規事業の立ち上げや新規サービスの開発においては、正解がない中を進んでいく必要があります。Zhieniusは、私たちと共に悩みながら、忍耐力をもって諦めずに事業に向き合ってくれる心強いパートナーなんです。キャリンが「CaLin」の生みの親ならば、Zhienius社は育ての親とも言えるかもしれません。

今回のプロジェクトは協業のあるべき姿を問い直すきっかけにもなり、結果としてZhieniusでも新たにビジネスインキュベーション事業を立ち上げることになりました。関係性を超えたパートナーシップが、互いに新たな事業の形をもたらし合っていること自体が、Zhieniusのビジネスインキュベーション事業の特殊なあり方を象徴しているかもしれません。

2024年11月、キャリンはZhieniusと共にジョイントベンチャーを設立しました。すでに協業関係がある中で、なぜ改めてジョイントベンチャーを立ち上げたのでしょうか。

片岡様:

ジョイントベンチャーとしてはCaLin事業のさらなる成長を目指し、我々キャリンとしても、まずはCaLinの開発体制を強化し、さらなる利便性や新しい採用手法を市場に浸透させていきたいですね。

そうして培ったCaLin事業の経験をもとに、ゆくゆくはキャリンでもまた新たなWebサービスの立ち上げにも取り組みたいと考えています。その際には目新しい市場に参入するというよりも、時代が変わっても価値が普遍である市場に新たな価値を提供するイノベーティブなサービスを構築していきたいですね。

(2024年10月取材)

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